始めに、里山ORC長の宮浦富保氏が自然の山から里山に至る経緯を、歴史絵図を用いて紹介した。そもそも里山とは、里地に住む人々が生活の糧を得るために入る山を指す。現在では、人と多様な形でかかわりながら、さまざまな動植物が生息できる環境のある山、と総称される。 基調講演には多くの政府関係審議委員を歴任した小澤普照(ふしょう)氏が招かれた。小澤氏はカナダのモデルフォレストを例にして「日本の人々は里山を活用する意識が低い」と指摘した。そこで、人文・社会科学分野の専門家が多数、里山ORCに参加している本学に、「地域住民と行政・農業関係者とのパートナーシップ(連携)の構築を期待したい」と語った。また近年、問題となっている不燃木材を利用して「SATOYAMAブランドを開発したい」とも話した。 続いて、里山研究の報告がなされた。中でも、本学社会学部助教授の脇田健一氏は一風変わった切り口で里山を考える。「里山を保護しようと一方的に唱えるより地域住民と里山を利用して楽しむことが里山の価値を見直し、ひいては里地を共有する意識を生む。この共有する意識こそパートナーシップを作る架け橋となる」と述べた。 研究報告の後、小澤氏ら6人のパネリストが参加者との討論の場を持った。研究成果に対する質問や里山の展望など多くの意見が交わされた。
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