本学は、瀬田学舎近辺の森林開発中に絶滅危惧(きぐ)種の植物を発見した。直ちに森林開発を中止し、自然との共生を目指した里山としての利用を決めた。それが、今日の「龍谷の森」である。 また金沢大学も、「角間の里山自然学校」を自然との共生を目指して里山を利用している。両大学のこうしたつながりから、里山を「いま」に生かすための話し合いの場として今回のシンポジウムを開催することになった。 本学深草学舎顕真館と金沢大学角間キャンパスの両会場をテレビ中継でつなぐという新しい試みも行われた。両会場の参加者は、大型スクリーンでお互いの様子を見ることができた。 シンポジウムは、京都大学名誉教授河合雅雄氏の基調講演から始まった。「子供を取り巻く環境が人工化し過ぎている。命の尊さ、自然との付き合い方を教えるためにも里山を持つ学校が増えればよい」と河合氏は語り、子どもの人格形成における里山の重要性を唱えた。 次に、パネリストの本学理工学部教授江南和幸氏、金沢大学教授中村浩二氏、「龍谷の森」自治の協力者杉江博明氏、石川地域づくり協会コーディネーター高峰博保氏のそれぞれの里山についての報告とディスカッションが行われた。 「自然の再生の力を生かすことが大切」と江南氏、「次の世代に里山を残したい」と中村氏は提言した。また自治の立場として、「龍谷の森を研究発表の場として使ってほしい」と杉江氏、「大学側に人が森に入る効果を検証してほしい」と高峰氏は主張した。ディスカッションは、テレビ中継を利用しながらとどこおりなく進行した。 両大学のパネリストが里山の未来についての討論を繰り広げた。参加者は、熱いまなざしで討論の様子を見ていた。 そして、参加者が両大学のパネリストに質問し、パネリストが質問に丁寧に答えた。しかし、質問の数は多く、閉会された後も質問が続いた。最後までパネリストは残り、質問に答えるという光景が広げられた。 両大学にとって、有意義で親睦を深めるシンポジウムとなった。
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