昨年12月16日、本学深草学舎21号館302教室で竹下義樹弁護士による法学部講演会が行われた。テーマを「弁護士の役割と使命
人権課題とどう取り組むか」と題し、その半生を語った。
竹下氏は全盲の弁護士で有名だが、本学初の司法試験合格者としても有名である。入学当時、竹下氏は京都市内の病院でマッサージ師として勤務しながら深夜まで法律の勉強に励む学生であった。 点字の六法全書すらなかった当時、竹下氏は多くの人に支えてもらって勉強できたことを話した。懇意にしてくれた先生が無償で勉強に付き合ってくれたこと。生活を支えてくれた妻のこと。そしてボランティアの人々が作ってくれた千本に及ぶカセットテープ。そのすべてが「弁護士になるという夢を持たせ続けてくれた」と話した。 しかし、竹下氏の司法試験への受験には大きな壁が立ちはだかった。法律上、視覚障がい者も受験資格を有しながら前例がないことを理由に法務省は竹下氏の受験を認めなかった。点字による受験制度も確立されず、点字の六法全書すらない。事実上、視覚障がい者にはその門戸は閉じられた状態であった。 「何度くじけそうになったか分からない」 苦しい立場に置かれた竹下氏はそのように当時の心境を語った。自分は多くの人に力を貸してもらう身で、なぜ弁護士になりたいのか。竹下氏は自問した。その考えの果てに「障がい者問題に取り組む弁護士になりたい」、これこそ竹下氏が見つけ出した答えであった。 その後、法務省への陳情、国会での意見陳述を経て司法試験の点字受験を初めて実現させることに成功した。しかし、司法試験が難関である事実に変わりはない。何度も失敗を重ねるが多くの人の助けを受け、9回目の挑戦で合格を果たす。全盲として最初の司法試験合格者でもあった。 弁護士として働く今も当時の気持ちは忘れないと言う。「社会福祉に関する裁判は原告が生命をかけている。弁護士も真剣に向き合うことが求められる点に仕事の価値を感じる」と話した。
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