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[ シンポジウム ] 林業の第一人者に学ぶ人と森とのつながり <2007年5月>

▲林業の現状について語る杉本氏
        =5月4日、本学瀬田学舎7号館


 5月4日、本学瀬田学舎7号館において「共存の森 関西」主催のシンポジウム「森と共に生きる。」―吉野林業の名人から学ぶ―が開催された。「共存の森 関西」は本学瀬田学舎の森と周辺集落をフィールドとし、里山と人とのつながりをテーマに活動している。

 今回のシンポジウムにはスペシャルゲストとしてスギの木の種取り名人の杉本充氏が招かれた。杉本氏は吉野地方のスギの木から種を採取し、育成した苗木を森に返す活動を行うなど、現在も第一線で活躍している人物だ。

 今の日本は林業の採算が大変悪く、仮に育っている木を切って売るだけでも採算が取れない。そのために切る頃合の木が放置され、森の荒廃が進んでいる。杉本氏は講演で日本の林業の現状について述べ、「化石燃料のない日本にとって森林は唯一の資源だ。若い人にも関心を持って理解してもらいたい」と語った。また、「森は天気の良い時はその包容力で人々を包み込んでくれる。しかし、天候が荒れて山が怒っている時には撤退する勇気が必要だ」と森の雄大さと怖さを同時に伝えた。

 杉本氏は講演の最後に実際に仕事で使用している自家製の木登り道具や安全ベルトを紹介して講演を締めくくった。

 その後、京都大学フィールド科学教育センター研修員の高橋江里奈氏と本学理工学部教授および、本学里山学・地域共生学ORCセンター長の宮浦富保氏のゲスト講演も行われた。

 高橋氏は森林の間伐の選木基準を科学的な観点から考察し、実際に選木したもの杉本名人が採点した。そのことについて高橋氏は、「90点は頂きました。しかし残りの10点はやはり熟練の勘なのでしょう」と述べた。

 続いて、宮浦氏はマツの歴史について「マツはほかの木に比べ競争力がなく、森林の手入れが行き届いていない今、マツはマツクイムシなどにより枯れてきている」と述べた。

 最後に、三者をパネラーとして迎え、パネルディスカッションと質疑応答が行われた。会場脇には杉本氏の地元である奈良県川上村と「共存森 関西」の紹介ブースが設けられていた。  
    
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記事=大滝洋信
撮影=小島未来


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