>>龍谷大学新聞社トップ>>過去の記事>>学内ニュース>>2008年1月
[ 講演会 ] 剣持秀紀氏講義 自然な歌声を目指して <2008年1月>

▲作成時のエピソードを語る剣持氏
 =昨年12月21日、本学瀬田学舎7号館講義室1

 昨年12月21日、本学瀬田学舎7号館講義室1にて、「ヤマハにおける歌声合成システム開発〜VOCALOIDの挑戦〜」が行われた。同講義は、本学理工学部情報メディア学科の渡邊靖彦講師のメディア処理論の一環で、ヤマハ株式会社で音響関連の研究をしている剣持秀紀氏が講師として招かれた。剣持氏は歌声を合成する仕組みや、VOCALOIDと呼ばれる合成の歌声を簡単に作れるソフトウェアについて講義を行った。

 VOCALOIDという言葉は造語で、「本物の声に近づきたい」という意味が込められている。

 VOCALOIDはまず、実際の歌手からさまざまな声の素片を周波数領域で接続し、加工することでデータベースを作る。それをもとに、ライブラリーを作成してソフトウェアにしてVOCALOIDは出来上がる。特に有名なVOCALOIDは07年に発売された『初音ミク』だ。

 剣持氏はVOCALOIDを作った理由について「今までシンセサイザーのように『音』を合成することはできたが『声』を合成するソフトはなかった。本物の声に近づくものを目指して作ろうとした」と語った。VOCALOIDに求められている点として、歌詞が聞き取れること、リズムがスムーズであること、自然であることの3点を挙げた。

 VOCALOID作成時のエピソードとして剣持氏は「ピッチ、音色、タイミングの調整が大事。うまく繋げられなければ聞くことはできない。特に英語は日本語に比べデータベースを多く必要とし、完成するまでに時間がかかった」と語った。

 また、初音ミクの人気について、動画投稿サイトの存在やキャラクターの設定など、企画内容の充実を挙げた。

 最後に、剣持氏は「大学で専門にしてきたことが将来の職業に関係するとは限らない。学んだことが違う分野であっても役に立つことは必ずある」と学友にエールを送り講義を締めくくった。
記事=大滝洋信
撮影=渡辺 仁


龍谷大学新聞社
掲載内容の無断転載を禁止します。
Copyright 2004 Ryukoku Univ. Press All rights reserved.