転校生の「野ブタ」こと小谷信太は、その「キモイ」見た目のためにいじめに遭う。
そんな彼は同じクラスの誰からも敵視されず、愛される存在の桐谷修二に弟子入りを求める。しかし修二はそれを「弟子」という形ではなく「プロデュース」という形をとることに。 修二のプロデュースのままに野ブタが動くとそれがことごとく成功する。 ただ野ブタのプロデュースに没頭しすぎた修二は、自身のキャラクターを演じることを忘れ、クラスメイトから信用を失うことになる。 そのとき修二はどれだけ今まで自分がうそで創り上げた世界で必死に生きていたのか痛感する。 作者の白岩玄は京都市出身の現在専門学校生。本書は第41回文藝賞受賞作であり、第132回芥川賞候補作まで登り詰めた作品だ。 本書によって偽りの自分を作って学校生活を器用に過ごす修二の姿に、誰もが社会の中で自分を良く見せるために装飾を施し、真の自分とはずれた姿を周囲に見せていることを思い知らされる。 キャラクターを演じなければ生き残ることができない高校という場所が見事に描き出されている。皆さんにも高校時代を思い出して読んでもらいたい。
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