家へ帰る途中だったタヌキの僕は、偶然、森の奥にある池で「月」が魚釣りをしたり、もぐったりして遊んでいるのを見てしまう。世界一の探検家にだって見付けられない、とっておきの内緒話を聞かせてくれる「つきよ」はそんな絵本だ。 「つきよ」は不思議だ。読めば読むほど、どんどん引き込まれていく。優しくて個性的なキャラクターが繰り広げる、先が読めないストーリー展開に「次は何が起こるんだろう」とわくわくせずにはいられない。言葉で言い表すことのできない楽しさ。この読後感の良さこそが「つきよ」最大の魅力であろう。 また、はっきりした色使いの伸び伸びとした絵柄にもぜひ注目してもらいたい。きっと見るたびに新しい発見があるはずだ。 さらに、「ぼくはびっくりして りょうてでおなかをきゅうっと つかんでしまいました」など心地よい言葉遣いも魅力の一つ。月の秘密の時間を目撃したタヌキの素直な感想には、思わず笑みがこぼれる。 「つきよ」は目で耳で最後まで読者を飽きさせない、年齢を問わず楽しめる作品だ。誰にも見付けることができない池で月は何をしていたのか。ぜひ自分の目で確かめてほしい。
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