>>龍谷大学新聞社トップ>>過去の記事>>連載>>2008年4月
[ 我聞如是 ] 成人年齢引き下げ <2008年4月>

 政府が成人年齢引き下げを検討し始めた。もし18歳以上が成人ということになれば、多くの法令が見直しを迫られる。この改正案が可決されれば、大学生は全員、大人として扱われることになる。

 学生を象徴する言葉に、モラトリアムというのがある。猶予期間という意味だ。ここでは肉体的には成人していても、社会的義務、責任がない時期のことをいう。この時期こそ、多くの経験を積むチャンスなのだ。

 大学ではサークル活動や留学、ボランティア活動など、今まで経験しなかったことに触れる機会が多くなる。一方、授業以外はほとんど家にいるという人もいるだろう。大学生の自由な時間を利用して何事にもチャレンジすることが、正しい大学生のあり方のような気がする。

 社会から成人と認められると、多くの権利が発生し、それと同時に義務も多くなる。「もう大人なのだから……」、この言葉を受け入れられない若者も多く存在する。

 「大人とは裏切られた青年の姿である」と語ったのは太宰治だ。本当の意味で大人になるには、多くの経験が必要になる。政府が検討している、成人年齢引き下げについての賛否は人それぞれだろう。しかし、私たちがやるべきことは、いつから大人になるのか悩むことではない。どのような経験を積んで大人になっていくかが大切なのだ。

 新しい経験は常に不安が伴うものである。しかし、そのぶん多くのものが得られるはずだ。経験は自分を大きく成長させる。その延長線上にあるのが大人という存在なのではないか。
(橘祥樹)


龍谷大学新聞社
掲載内容の無断転載を禁止します。
Copyright 2004 Ryukoku Univ. Press All rights reserved.