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[ トランプタワー ] 一人遊びの王道 トランプタワー <2008年5月>

▲汗と涙の完成品

 夜、一人で自室にいるときに、ふと暇を持て余すという経験は誰にでもあるのではないだろうか。今回はそんな退屈な時間を楽しむ方法として、トランプタワーを紹介する。

 見た目の派手さとは裏腹に、繊細な作業を要求されるトランプタワー。今回紹介するにあたり、5段のトランプタワーを実際に作ってみた。

 まず1段目。2枚のトランプを手に取り、頂点を重ね合わせて山を作る。山が二つできたら、今度は2段目の土台となるトランプを、二つの山の上に置く。先に上段の土台を作ることで下段の安定感が増し、少し触れても倒れなくなるからだ。その工程を繰り返し、タワーの1段目が完成した。

 次は最初の難関、2段目だ。トランプの上に積み重ねていくので、1段目よりも高度なバランス感覚が求められる。そしてこの辺りから山を築くときに指が震えだす。しかし作業自体は1段目と同じなので、引き続き慎重に山を並べていく。山を四つ並べられたら2段目の完成だ。

 そして3段目だが、ここが最難関と言っても過言ではない。少しずつ不安定になっていく土台と、高まる緊張感のなかでトランプを立てていかなければならないからだ。指の震えもどんどん増していく。何度もタワーは倒壊し、下段よりも多くの時間を費やしたが、3段目は完成した。

 築く山が少ない4段目と5段目の作業は比較的楽である。しかしここで失敗したら元も子もないので、呼吸でタワーを壊さぬよう息を殺し、慎重に積み重ねていく。かつて、ここまで神経が研ぎ澄まされた瞬間はなかったかもしれない。

 4段目が完成し、すかさず5段目に取り掛かる。完成を目の前にすると、休憩を取る気にはなれなかった。最後の山を立てるとき、もう指の震えは治まっていた。

 そうして、3時間ほど費やし、ようやく5段のトランプタワーが完成した。制作途中で幾度となく挫折と挑戦を繰り返し、精神的に強くなれた気がする。完成してから数分後、紙で出来たこの脆弱な塔は、音をたてて自然に崩れだした。形として存在したのはたった数分でも、想像以上に時間が掛かっただけに達成感はあった。

 後日、また暇になったので、再びトランプタワーに挑戦してみた。すると今度は一度の失敗もなくすぐに成功した。二度目以降はタイムアタックに挑戦してみるのも楽しいかもしれない。

 もし部屋で暇を持て余し、目の前にトランプがあったときは、トランプタワーに挑戦してはいかがだろうか。
(金海寛文)


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